甘い体温


訳が分からずも、思わず陽生の肩の辺りをギュッと強く握りしめたその時だった


すっと重みが消えて、ようやく陽生の顔が私から離れた


『ちょ、ちょっと!いきなり何すんのよ!』


いつもいつも急に何なの!!


私は乱れた呼吸を整わせながら陽生を睨みつける


『ん?予行練習♪』


『は?予行練習?』


『果歩が一人でご飯食べれないって言うから、俺が口移しでこうやって優しく食べさせてあげようと思って♪』


『はぁ?何よそれ!』


いつ、誰が一人で食べれないって言った?


『う〜ん。食べさせがいがありそうだな果歩は』


満面の笑みを浮かべる陽生



……この男



『この変態!』



ったく、救いようがないなこの男


油断も隙もありゃしない