甘い体温



その日、一人残された部屋で私は思いっきり泣いた


わんわん泣いた


こんなにも自分の感情がまだ残ってたのかと思うぐらいに…


なんで…


なんで私が?


一体何したって言うの?


期待なんかしないと思っていたのに、心の奥底でほんの少しは期待はしてたんだ


いつかはきっと私を…


私の事をちゃんと見てくれるって……


何だかんだ言って、血の繋がった親子だから本当に私を捨てるなんて事はしないと思ってた


そう信じたかった


だけど、いらなくなった物のようにあっさり捨てられてしまった



本当…バカみたい



とうとう私は本当に一人になってしまった


言いようのない絶望感と孤独感


私の中の何かが音を立てて一気に崩れていった瞬間だった



もう、どうでもいい…



私はその日を最後に感情を捨てた


誰かを信じるのもやめた


散々身勝手な大人に振り回されてきた私


これからは私が大人を利用して生きていく



もう誰にも頼らないし、誰もいらない


これからは自分一人で生きていく



私はその日、心から強くそう自分に誓った―――…