『…かほ』
私は誰かに名前を呼ばれた気がして、不意に目を開けた
『果歩』
ん、だれ?
『大丈夫か?』
え?
私の目の前には何故か私を見下ろす陽生の姿があって
思わず目を開いく
陽生は私が目を覚ました事に気づくと、ほっと肩を撫で下ろし、柔らかい表情になった
『え、何で…』
『何かすげーうなされてたけど、平気か?』
陽生は心配そうに私を見つめてくる
『どっか苦しいのか?…それとも怖い夢でも見た?』
そう言って優しく私の頭を撫でる陽生にキョトンとした
え、夢?
寝起きのせいか、頭がうまく働かない
さっきのは夢?
『……』
そっか…夢か…
でも、何で今更あんな夢なんか……



