甘い体温



気がつくと私は薄暗い狭い部屋で体を震わせながら泣いていた


何故か私は4、5歳の子供の頃の姿に戻っていて、寒くて寒くて必死で布団に包まっていた。

とてつもない不安と孤独感に襲われながら、ある人の帰りを今か今かと待っていた



ガチャガチャ!



ちょうどその時玄関の方から物音が聞えてきた。


そして近づいてくる足音を確認した私は、すぐさまその足音の方へ駆け寄った


『あら、果歩あんたまだ起きてたの?』


久しぶりに会った私を見るなり、冷たい視線を送る母


そんな視線にビクつきながらも、私は母の顔を見上げた


『うっ、ママぁ…ヒック…あたま、痛いの…』


私は目に涙をいっぱい溜めて、母に泣きながら訴えかけた


『えっ?』


『頭ガンガンして、ヒック…寒くて、しょうがないの…ママ助けて…』


私はすがる思い出で母に抱きつこうと、手を伸ばした




バシ!!




『最悪』