甘い体温


部屋を見渡すと、太陽の明かりはなく、いつに間にか真っ暗くなっていた


時計を見れば夜の7時を等に過ぎていた


『…っ……』


な、に?


突然、寝る前とは比べ物にならないぐらいの激しい頭痛に襲われた


咄嗟に私は手で頭を押さえる


この頭の痛さはやばいかも…


そう思った私はすぐに体温計を手にした



ピピピ・・ピピピ・・



『…やっぱり』


案の定、体温計が示したのは38,5℃の厄介な数字


『……』


どうしようか?


もう今日は今から病院に行く気力もない


ブラウンも私のひざの上に乗って心配そうな瞳で私を見つめてくる


『大丈夫だよ…ただの風邪だから…』


私は安心させるようにブラウンの頭を撫でると、ふらつく足取りでキッチンへ向かった


そして救急箱の箱から風邪薬を取り出すと、水と一緒に口の中に流し込んだ


本当は少しでも何か食べた方がいいんだけど、とてもそんな気になれなかった


とりあえず今日はこれで様子を見るか…


明日起きてまだ熱が下がってなかったら、その時は病院へ行こう


そう思いながら再びベッドに横になった私


こういう時ほど一人の無力差を嫌ってほど痛感する


かといって、別に誰かに傍に居て欲しいなんてこれっぽっちも思わないけど…