『じゃあまた後でフロントまで行くから、よろしく』
電話をきった陽生はう〜ん、と清々しく伸びをし
『良かったな、しばらくこの部屋自由に使えるって』
そのまま私の方へ目を向けるとニヤッと笑いかけた
『……』
そんな陽生に
私は何とか体勢を整えながら、もう、ただ唖然として目を大きく見開くしかできなくて…
『てゆーことで、今日からよろしく三月果歩ちゃん』
陽生は満足そうな顔で立ち上がると、ネクタイをスルスル首に巻き始める
ちょ、ちょっと待ってよ
よろしくって…
『な、何よ!何のまねよ!!』
私は慌てて立ち上がり、陽生の方を睨んだ
『ん?何?どうした?そんなに慌てて』
『どうしたじゃない!ふざけないでよ!今の電話は一体どういう意味よ!』
『別に、そのままの意味だけど?』