『想像以上だな』
『えっ』
その時、陽生が小さくボソッと何か呟いたのが聞えたけど、小さくて旨く聞き取れなかった
そして何故か陽生はふっと柔らかく笑みを零すと私の頭をよしよし撫で始め
『なっ!?ちょっ!バカにしてんのあんた!』
そんな陽生の手を素早く振り払った
けれど陽生はそんな私の睨みなんか全く気にしてないかのように、何食わぬ顔で私の上から退くとベッドの端に座りだした
その隙に私も体をベッドから起こす
『俺のことが信じられないならそれならそれで構わないよ
でもな、これだけははっきり言っておく』
『え?』
『俺は絶対嘘は付かない』
『……』
真っ直ぐ突き刺す様に私を見つめる陽生の瞳
それは今まで私に向けてきた色とははるかに違って真剣みを帯びていた
『私は信じないから』
それでも私はそう口にすると
陽生の視線に負けないように私も真っ直ぐ見つめ返した
そんな安っぽい言葉なんか絶対信じない
信じないんだから!
『なら…』
でも次の瞬間、陽生の手が再び私の手をぎゅっと捕らえた
『俺がお前を信じるよ』
その、腕の力強さに一瞬だけ不覚にも息が止まりそうになった
『あんた…何言って……』
『三月が俺を信じられないなら、俺が三月を信じるよ』
陽生は優しくそう言うとそっと私にもう片方の手も差し伸べた
その手はまるで私を試してるのように見えて……
『三月?』
『……』
何故かその時
私の中で異様な胸のざわつきを覚えていた