甘い体温


『俺も愛してる』



私達は再び顔を寄せ合い


思いを伝えるように、唇を重ね合わせた


お互いきつく抱きしめ合って、笑い合う


きっと



――こんな幸せは他にない







『そういう訳でさ、果歩ちゃん?』


『ん?』


『さっそく今から愛を育もうか?』


『え?』



そう言って私の体は床から離れ、いとも簡単に宙を舞う



『えっ…ちょっ…!?』



や、…何??



私は思わず足をバタづかせた



『何だよ…何か文句でも?』



そんな私を抱きかかえながら陽生は不服そうな声をあげ



『だ、だって、さっきしたばっかじゃん…病院で…』


『は?何?俺があんなんで満足すると思ってんの?』


『へ?』


『言っとくけどあんなんじゃ全然足りないね
せめて今まで離れてた分ぐらいは相手して貰わないと♪』


『な!』


『つーことで、今夜は寝れると思うなよ』


『!!』






今夜はまだ始まったばかり



『しっかり愛を温め合おうな、果歩ちゃん♪』



そして私達もまた始まったばかり



なのに


もう前途多難なのは私だけ…?