甘い体温


『えっ…』




――…ボストン?




陽生の口から放たれたその言葉に、一瞬にして私の頭が真っ白になり、言葉を失った


『…何で!?』


それでもどうにか必死に声を絞り出すと、私は握っていた陽生の袖を、さらに強く握りしめた




…ああ、そうだよ私


肝心なことすっかり忘れてた


婚約者の誤解がすっかりとけて


陽生とも思いを伝え合って


だから、完全に油断してた


ボストンのこと、完璧に忘れてた



バカだ…私


でも……



『どうして!?』


『えっ』



何処にも行かないって言ったじゃん


ずっと私の傍にいるって


私のこと、絶対離さないって


この先も沢山かけがいのない時間を一緒に作って行こうって


2人で生きる意味探そうって…ついさっき約束したじゃん


約束したばっかりなのに



それなのに……