甘い体温


部屋を見渡しながら、思わず関心してしまう私


そう言えばそもそも私、直輝以外の男の人の部屋に入ったのって、初めてかも?


今までの男は誘われてもずっと拒否してたからな…


何でって、単純にあんまり深入りしたくなかったから


ただ、それだけ



…う〜ん。



でもそう思うとなんか新鮮っていうか、不思議な感じ?


妙に緊張するかも…


そんなことを思いながら、苦笑いを浮かべていたら



『何そんな所で突っ立ってんだよ』


『えっ』



突然聞こえた陽生の声に、私はビックリして後ろに振り向いた


その拍子に腕の力が抜けて、ブラウンがストンと床に着地する



『…陽生……』



振り向くと、ジャケットを脱いでネクタイを外したラフな格好の陽生が、不思議そうに私を見ていた



『ん、どうした?』



そう言って私に首を傾ける陽生に、私は「何でもない」と、慌てて顔を横に振った



『何だよ…可笑しな奴だな……ま〜い〜や、とりあえず座れば?』



私からソファーに目を向けた陽生に、軽く頷いてソファーに座ろうとした



でもその時



ふと目に飛び込んできた、部屋の隅に置いてある荷物に、私は思わず動きを止めた