甘い体温


『あ〜そうだ、ホテルはもう解約したから』


『え?』



エレベーターに乗り込むとすぐ、陽生が私の方を見た


今思い出したかのようなあまりにさらっとした言葉に、私はまた目を丸くする



『は?解約って…いつ?』



いつの間に??



『ん?さっき』


『え?さっき?』


『そ、さっき仕事終わってから連絡したんだよ』


『したんだよって……』



何でそんな急に?


私は理解出来ず、陽生の顔をまじまじ見つめた



『は?何でって、今日でちょうど約束の2カ月が経ったからだろ?』



そんな私に今度は陽生が首を傾ける



『…え?約束の2カ月って……』




…あっ



その瞬間、ハッと思いだしたように声を漏らした私


そっか、今日って…


そっか、そうなんだ…


いつの間にかもうそんなに日にちが過ぎてたんだ…



ここのところ、全然カレンダーなんて見てなかったから、今日が何日だとか、全く把握できてなかった



ていうか、今まで自分のことでいっぱいいっぱいで、日にちなんて気にしてる余裕、なかったから…