甘い体温


私は陽生の服を掴みながら、さらに首を傾けた


そんな私に気付き、陽生は不安げな私の瞳に視線を合わせると、ふっ、と息を漏らし、何故かニヤっと笑った




『何処って……俺の家だけど?』




その言葉に、思考が一時停止してしまう



『…え…?』




……俺の家?




予想外の言葉に目を見開く


思わずキョトンとする私に、陽生は一人車を降り始めると、外から助手席のドアを開けた



『ほら、来いよ』



私の腕を掴み、車から私を引っ張り出す陽生にますます困惑する



『…えっ…ちょっと……』



慌てて手を引っ張って抵抗する私に



『いいから、ほら』



「今更何警戒してんだよ…」と陽生は呆れた顔を向けると、少し強引に私の手を引っ張って歩きだした



『あっ…ちょっとっ!?』



叫びも虚しく、手をギュッと掴まれた私は、そんな陽生にもはや、黙って着いてくしかなかった