甘い体温


『だって…』


『だって何?』


『あの時の私にはそんな余裕なんて……』



途中まで言いかけて、思わず息を呑む


だって、陽生の顔が近い


もう少しで鼻と鼻がくっつきそうなそんな距離で、そんなふうに鋭く見つめられたら……



何も言えなくなるじゃない!


それに、目、怖いんですけど……



『はる…』


『ん?』


『あの……』


『ん?』


『……』


『……』



『……ごめんなさぃ』




私の負けです


あまりの視線に耐えきれず、私は視線を逸らしてしまった


でも、思わず私はハッと我に返る


ていうか、これはそもそも負けとかそういう問題じゃない



そうだよ


私……陽生にすごく酷いこと言った


傷つける言葉沢山言っちゃったんだよね


陽生が怒るのは当たり前で、本当だったら私なんかもう呆られてもいいはずなのに


それなのに陽生はそんな私のこと……





『ごめんなさい』



気付いたら私の瞳は真っ直ぐ陽生を見つめていた