で、意見が成立した陽生と沙織さんは、お互いどちらかが結婚するまで、この仮の婚約者という関係を続けることを約束したんだって
まあ確かに、2人のルックスだったらいろんな人に言い寄られてもおかしくないからね
そういう人達を断るには手っ取り早いと思うけど……
…でも……
『何それ…』
それを聞いた瞬間、ようやく私は心から肩の力を抜いた
私の中でずっと重くのしかかっていた重りがすっと軽くなるのが分かった
…だけど……
『紛らわしい』
私は陽生に向かって顔を歪めた
それならそうと、最初にちゃんと説明しておいて欲しかったよ…
初めから知ってたら
そしたら、私はあんな……
『悪かったよ…』
陽生は呆れ顔の私に苦笑いを浮かべながら、またさらに私を強く抱き寄せた
『嫌な思いさせて悪かった…でも』
『でも?』
『俺の話をちゃんと聞こうとしなかったお前も悪い』
『え?』
『俺がちゃんと話したくて引き留めてるのにもかかわらず、果歩お前、何も聞く耳もたずって感じで勝手にいなくなっちまっただろ?』
『あ…』
『違うか?』
『……』
確かに、違わない
陽生の言う通り…だけど…
だって、あの時は……



