甘い体温



陽生は私を寝かすとすぐ


着ていた白衣をソファの上に適当に脱ぎ捨て


ネクタイもスルッと外すと私の体のすぐ横に腰を下ろした


そして上半身を捻り少し屈めながら私の頬に手を延ばすと



『ふっ、なんだよその顔は』


『…ぅ…だって……』


『だって何?』


『ほ、本当にするの?』


『今更やめていいの?』


『…ぅ……』




陽生の悪戯な声に


思わず言葉に詰まる


今の私、きっと顔真っ赤だ


それぐらい顔が…いや体中が熱くて、やばい


だけど陽生はそんな私を楽しむかのように、私の頬を撫でながら柔らかな笑みを浮かべてくる


陽生の大きくて温かい手が私の頭をあやすように優しく撫でるから


容赦なく胸が締め付けられて…



ダメだ…



優しく目を細める陽生に


何故だか急にとてつもない恥ずかしさが込み上げた私は思わず陽生から視線を反らしてしまった


陽生とこうして触れ合うのは初めてって訳じゃないのに


まるで初めてのように、ううん


それ以上に緊張してる私に気づく



『…果歩……』



薄暗い静かな部屋に響く甘く優しい陽生の声


そんな私の気持ちを知ってか知らずか、さらに追い込むように



『会いたかったよ』



と陽生の指先が下着しか身にまとってない胸元へとゆっくり指先を滑らせてくる


そしてついには


体を全てソファーの上に乗り上げると、陽生は私の首筋に再び唇を落とし始め、胸元にチクッと数回痛みをはしらせた



『…っ……』



陽生の唇が、指先が動くたび電流が走ったみたいに痺れる私の体


もう抵抗することもできず


私は思わず目をぎゅっと瞑った