甘い体温



どのぐらいそうしてたのか


唇が離れた時には私の息は完全に荒く乱れ


力を無くした私は寄りかかるように陽生の胸に顔を埋めた


陽生の胸の中で肩を上下させながら真っ白の頭で必死に酸素を求める


だけど…


そんな私をさらに追い込むかのように私の耳元に唇を寄せた陽生



『もうギブ?』


『えっ』



思わず顔を上げた私に



『こんなんじゃまだ全然足りないんだけど?』



陽生は一瞬不適に顔を崩すと、何も言わず突然私の手を引いて歩き出した


そして診察室を出て何故か「カウンセリング室」と書かれた部屋に移動すると


私を強引に部屋に押し込め鍵をかけた


部屋は電気がついておらず遮光カーテンもかかっていて少し薄暗い


入ってすぐクリーム色の大きなソファーが私の瞳にとびこんできたけど


でもそれは一瞬だけ



『……んっ!?』



私の視界はすぐに陽生によって遮られ、再び陽生の唇が私の唇に押し当てられた


背中には冷たい壁の感触


目の前には陽生の顔


陽生は戸惑う私の体を壁に押し付けながらさっきよりも一層深く口付けてくる


そして私が羽織っていたカーディガンを器用に脱がすと


その手でシャツのボタンを上から順番に外し始め



『んっ……』


すかさず陽生の唇が首筋に降りて舌を這わす


『あっ……』



せっかく唇が自由になったのに


陽生の片方の指先がゆっくり太ももを撫でるから


逆に息苦しさに襲われて、まともに酸素を取り入れる事も出来ず


その変わり熱い吐息だけが静かな部屋に漏れた