甘い体温




『…すき……』



私はもう一度呟くと陽生の手の上に自分の手を重ねた


もう苦しくたっていい


それでも構わない


だからお願い



『…結婚なんかしないで…』



重ねた陽生の手をぎゅっと握り締める



『何処にも行かないで、ずっと私の傍に居て…

もう私には陽生しかいないの…

だからお願い私を一人にしないで……』



もう一人は嫌なの



『お願いだからっ……』



その瞬間、私の最後の言葉は


一瞬にして陽生の唇の中に吸い込まれていった


気づいた時には唇がしっかり重なり合い


お互いの体温が一瞬にして溶け合うように混ざり合っていた


もうこれ以上ないぐらい熱く…






『…っ…はるっ…』


『当たり前だろ』


ほんの少しだけ唇を離した陽生が私を真っすぐ見つめる



『俺がどれだけお前を好きだと思ってるんだよ…』


『…えっ』


『お願いなんかされなくても、ずっと傍に居てやるよ』


『……』


『俺がずっと果歩の傍にいて守ってやる…一生お前を守ってやる…だから……

だからお前ももう俺から離れるな』


『…はるっ……』


『もう絶対俺から離れるな、ずっと俺の傍にいろ…
俺だけをみてろよ』


そう言うと陽生は再び私を強く抱きしめた


もう1ミリの隙間もないほどきつく……


それに応えるように私も陽生の首に腕を回し強く抱きしめ返した



離れてた時間を埋めるかのように


引き寄せられるように求めあいながら


私達は、再び何度も何度も唇を重ね合わせた