甘い体温



『陽生が好きなの…』



私は顔を上げると、陽生の顔を両手で触れた


『もう限界なの…』


今まで押さえてた気持ちが、一気に溢れ出してくる


『陽生が傍に居てくれないと、寂しくて夜も眠れない』


私の瞳からは止めど無く涙が溢れ


やっぱり陽生の顔がにじんで、うまく見つめることができない


それでも



『もうダメなの…陽生が傍に居ないと寂しくて苦しくて…

もう、どうにかなりそうなの…』



あなたが傍に居ないだけで


こんなにも世界がつまらなくて


目の前が白黒で色褪せて見えてしょうがないの



『…だから……』



声が震える


陽生の顔に触れる手も、指先も、体中が熱い


熱くてたまらない



『だから…何?』



陽生の両手がそんな私の顔をそっと包み込む


その手も私と負けないぐらいに熱くて


切なくて苦しい