甘い体温


久しぶりに陽生と見つめ合う感覚に、体は震え、私の体温がありえない早さで上昇するかのような錯覚に陥る


相変わらず陽生の瞳は綺麗で、どこか優しげで


吸い込まれそうになる



『…はる…私……』



やっと会えたのに


言葉が続かない


久しぶりに会った陽生をちゃんとこの瞳で焼き付けたいのに


私の瞳がそれを許してくれない


目の前にフィルターがかかったみたいに、陽生の顔がどんどんぼやけてく


鼻の奥はつ―んと疼き


2、3歩ぐらい進んだ所で、私の足は動けず止まってしまった


『あの…大丈夫ですか?』


そんな、ただならぬ雰囲気の私に、看護婦が心配そうな声をかける


けれど、その声に反応することは、今の私には到底出来なくて……



『あら?ひょっとして診察希望かしら?』


『…えっ』



そんな時


不意に聞こえた静香さんの声に、私は俯きかけていた顔を、思わず上げた


『ちょうど今、午前中の診療が終わちゃった所なんだけどね
でも大丈夫よ、特別に今日は今から見てあげる

ていうか、基本的にうちの病院は緊急の患者の対応もOKだから、別に特別なことでも何でもないんだけどね』


何故か静香さんはそう言うと、隣に居る陽生に“ね”と合図をしだして、再び私の方を見た


……静香さん?


そんな静香さんの不可解な態度と言葉の意味が分からず、私が戸惑っていたら


『体調、悪いんでしょ?』


『え?』


『顔色悪いわよ〜。ね、陽生もそう思うでしょ?』


『え?…あ、ああ…』


そう言うと


静香さんは驚く私と陽生を無視し、強引に一人で状況をまとめて、そして今度は看護婦に声をかけた