甘い体温


――もうどうなってもいい



目の先にある白い天井を見つめながら


そんな情けなく弱い思いが、私の心を支配し始め、咄嗟に目をぎゅっと閉じかけた、その時


顔のすぐ横に、無造作に置かれた、開けっ放しの私のカバンの中で、消音モードにしとぁる携帯が、突然振動し始めた




…えっ?




その音に直輝の動きが一瞬止まり、驚いた私は思わず目を見開いた



えっ…



その音に、私は何かの衝撃を受けたように、ハット我に返る



何で?



携帯の電源、切れたままのはずなのに…


どうして?


そう思った私は、直輝の手が緩んだ隙に、自分の手を無意識にカバンへと伸ばした


そして携帯を掴むと、すぐさま片手で開く




――…え?




その瞬間、ディスプレーに表示された名前に、私は思わず息を呑んだ





―――…陽生?