『あいつはやめとけよ…』
『えっ?』
溜息交じりの直輝の声に再び私は直輝の方へと顔を向けた
『あいつはやめとけ』
そんな私に直輝はもう一度同じ言葉を繰り返すとベッドから降り、驚く私の隣にだるそうに腰を下ろした
少し眉間に皺を寄せながら…
『お前には合わねーよ』
『…え?』
直輝の予想外な言葉に再び私は目を丸くする
『直輝…?』
『あいつとお前とじゃ身分が違いすぎる』
『……』
『それぐらい良く考えれば分かるだろ?
あんな絵にかいたような金持ちとお前みたいなガキが釣り合うと思うのか?』
『……』
直輝の鋭い言葉に“ドクン”と鼓動が跳ねた
『お前らが今までどんな付き合いしてたのかは知らねーけど、
あいつみたいな大人の男が本気でお前を相手にしてるわけないだろ』
――…本気で相手にするわけない?
『いいように遊ばれてんだよ、お前は』
……いいように?
その言葉に私の心が一気にズシッと重くなり
思わず手をぎゅっと握りしめた
『それにあいつ婚約者居るんだろ?』
『…えっ?なんで…』
『これもけっこう有名な話みたいじゃん?』
『そう…なの…?』
『ああ…少し前、クラスの女が噂してるの聞いた』
「あいつらの情報網は意外に鋭いからな」と直輝は髪をクシャっと掻きながら私に視線を送ってくる
『……』
そんな直輝の視線を受け止めながら私は力なく視線をテーブルに移した



