甘い体温


陽生はベッドの上で体だけ起こした状態で私に微笑みかけてきて…


『……』


そんな陽生に私の顔はみるみる歪み始める


最悪…なんで起きてるわけ?


て、ううん違う、今はそんな事よりも…


なんで…


『何で…名前…』


私の下の名前知ってんの!?


私一言も教えた覚えなんかないのに!!


『ああ、名前?
お前本当の名前、果歩って言うのな
可愛い名前♪』


『ふざけないで!何であんたが私の名前知ってんの!!』


私はより一層陽生を睨み付けた


けれど陽生はそんな私を気にもとめない様子で、笑顔を向けながらある物を出した


『あ~、これ、可愛く写ってる』


『……』


そこに目を向けるとそれは


私の身分証明書でもある高校の生徒手帳だった