甘い体温


だけど、そんなこいつもご主人様に会えないからか


心なしか、少し寂しそうに見える


前よりご飯もあんまり食わなくなった


当たり前だよな


俺だってこんなに寂しいのに


あんなに仲良かったこいつが寂しいわけがない



はぁ~…



俺は溜息交じりにソファーに深く腰掛けると、ケータイを開いた


そしてリダイヤルの一番初めの番号を発信する


だけど俺の耳に流れてくるのは、もう耳にタコができるほど聞いた無機質の女のアナウンスの声で…


俺は再びケータイを閉じると、深くソファーに持たれかけた



きついな…



正直果歩を待ってるっていうのもあるけど、ここ1週間、まともに寝た記憶がない


寝ても、すぐに目が覚めちまう


情けねぇ~…


果歩も…あいつもちゃんと寝れてるんだろうか?


夜、うなされてなきゃいいんだけどな…


目を閉じると思い浮かぶのはやっぱり、最後に見た果歩の苦しそうな泣き顔で…


どうしようもなくて、やり切れなくなる



できることなら


できることなら俺がずっとあいつの傍にいてやりたい


俺があいつの安心できる居場所をつくってやりたい


果歩の傍にいて、あいつがずっと笑っていれるように守ってやりたい



俺がずっと…