甘い体温



もーやめやめ!


あんな男の事を考えるのは!


考えるだけ無駄じゃない


私は昨日の出来事を忘れるように大きく首を振った


どーせ、もう二度と会うこともない男



気にするな…私



今の時間はまだ6時前


さっさと身支度して、あの男が起きる前に此処から出よう


そうしようっと


私はお風呂から出ると、下着と入る前に身に着けていた上のシャツだけを身にまとい、あの男が寝ているベッドルームへとまた向かった










ガチャ――


『お帰り、三月果歩ちゃん』


『えっ』


扉を開けるとすぐ、さっきまで気持ちよさそうに寝ていた陽生が私に向かって手を振っていた