『嘘偽りのない、お前の本当の気持ちが聞けるまで俺は納得なんかしないし、お前と別れたりなんかしない』
『……』
『つーか、そんなんじゃ離れられるわけねーだろ……だから…』
そう言い終えるとのと同時に、陽生の手が私の肩から頬にゆっくり移動し、なぞるように優しく撫でた
『だから、俺には本当の事を言ってほしい…』
頬に当てられていた手が後頭部に回されて、頭をグイっと陽生の胸押し当てられた
そしてもう片方の手が私の腰を抱き寄せ、ぎゅっと陽生の腕が私の体を強く包みこむ
『頼むから…』
その力強さに、一気にまた切なさが、苦しさが
容赦なく込み上げてくる
もう抑えることなんかできない程の苦しさに
私の心臓が限界だと悲鳴を上げた
『…やっ！…』
その瞬間、私は思いっきり陽生の腕を振り払うと、後ろへ下がった
『もぅ…やめてよ…！』
『……』
『もういい加減にして！』
本当の気持ちって
『本当の気持ちって…嘘ってなによ！何か勘違いしてない？』
『果歩…』
『私は自分を誤魔化したりもしてないし、嘘なんか付いてない！
それに嘘ついてるのは陽生の方でしょ！
自分のこと棚に上げてよく人の事が言えるよね』
頭が痛い…
『だから俺は嘘なんかついて…』
『信じない！』
『果歩』
『もうあんたのことなんて信じられない！だからもう私のことはほっといてよ!』
…頭が割れるように痛い
『だったらその目から零れてるものはなんだよ……何で泣いてるんだよ!』
『これは…』
『それがお前の本心なんじゃないのか？』
『違う！』
『それが俺に対するお前の気持ちなんじゃないのか？』
『違う！』
もう何も考えたくない
『果歩！』
『もうやめて！！』
