その声に思わず息ができなくなり
体の温度が上昇する
心臓がビクンと震えるのが分かった
『果歩、お前…それ本気で言ってんのか?』
陽生の冷たい声が、私の震える鼓動をさらに加速させていく
『…だったら何よ』
『お前…今まで俺と一緒にいて、一体俺の何を見てきた?』
『…えっ』
『俺が今までずっといい加減な気持ちでお前を抱いてきたって、そう言いたいのか?
ずっと俺のことそんな風に見てたのか?』
『……』
陽生の鋭い視線が、容赦なく私の心に突き刺さる
その言葉に、私は思わず言葉を詰まらせた
『ふざけんなよ…俺がどんな思いでお前をずっと…』
そこまで言うと、今度は陽生が不意に言葉を詰まらせ、息を吐いた
そして私が瞬きをした瞬間、陽生の大きな手が再び私の手を強く掴み
その手の力強さに、体中の神経に緊張が走った
『いいか果歩、これだけははっきり言っておく』
『…何よ……』
『俺は今まで一度だってお前を、いい加減な気持ちで抱いた覚えはない』
その顔は
私の瞳までもを通り越し、その奥にある私の心に直接訴えかけるほどのものだった
その表情に、私の心蔵がこれでもかと言うぐらい、押しつぶされそうになった
何よ
何でそんなことが言えるの?
こんな言い方…ずるい
ずるいよ
だったらなんで……
その瞬間、一気に瞼が熱くなり、小刻みに震えるのを感じた



