甘い体温



『はぁ…』


チャプンッ!


と音と共に無意味に広いバスルームの浴室で私のため息が響く


バスタブの中に浮かんでいるバラの花びらを摘みながら一人考える


何だか妙に悔しくて、気分が悪い


不覚にもあの男にペースを乱されるなんて



今まではこんな事


一度も無かったのに…



気がついたら朝方まであの男と絡みあってた


正直、あんなに自分に余裕がなくなるなんて私自身驚いている


もちろん、気持ちもなければ温かみもない無意味な事には変わりなかったけどさ


体に受けた刺激は半端じゃなかった


悔しいけど、あいつ…上手い…


それに…なんでだろう


あの瞳で真っ直ぐ見つめられると、何故だか不思議な気持ちになって落ち着かない


…どうして?


なんかやだなこの感じ


はっきり言ってムカつく


ありえないし


こんなの私らしくもない