―――最低だよ


私はその言葉を最後に陽生に投げ捨、て病院を後にした


走り去る時「果歩!」と陽生の私を呼ぶ声が耳にしたけど、もちろんそんな呼びかけに反応することなく、病院から飛び出した




外に出たとたん、冷たい風が吹きつけて、一気に私の体の体温を奪う


冷たくて冷たくて、心まで凍りそうなほどだった


息苦しさのせいか、足がもつれ上手く走ることが出来ない


足に力が入らなくて、気を抜いたら今にも倒れそうになってしまうのを必死で何とか持ちこたえていた





ばかみたい



本当に私…ばかみたい



もう、自分が情けなくてしょうがない



惨めで情けなくて、どうしようもなくて



本当に嫌になる



陽生を信じてた分だけ自分に同じ分だけの苛立ちが押し寄せてくる



『……っ…』



そして、今度はさっきまでとは違う感情が体に広がり、切なさが容赦なく押し寄せてきた


鼻の奥がつーんとして


目の前の景色が歪み始めたその時―…






『果歩!』



突然後ろから腕を掴まれた



ドクン”



その声に、掴まれた手に、一気に鼓動が弾け飛んだ




『果歩!!』


『…ヤッ…放してっ…!!』