そう言うと、ショートカット女性は、何故が少し困った様子で口を開いた
『あ〜でも、今はちょっとまずいかも…』
『え?』
その言葉に受付嬢も私も、思わずショートカット女性に目を向ける
『ちょうど今、沙織さんが見えてるのよ』
『え、沙織さんですか?』
『そう、今さっき急に見えてね
先生に会いに院長室に入って行ったみたいだから…』
『そうなんですか…』
『だから、もう少し後の方がいいと思うんだけど…』
受付嬢にそう説明すると、ショートカットの女性は手を顎に手を当て、”う〜ん”と考える仕草をし始めた
そんな2人のやり取りに、思わず首を傾けた私
……さおりさん?
って誰?
訳が分からず、私は目の前の看護婦2人を交互に見つめた
陽生か静香さんの知り合いなんだろうか?
しかもこの2人の様子からだと、大事なお客さんっぽい雰囲気
そういうことなら邪魔しちゃ悪いし、書類、この人達に預けて帰ったほうがいいよね?
本当はちょっと陽生の顔見たかった気もするけど、しょうがないか…
『あの…』
そう思い、封筒を渡そうと受付嬢に声をかけようとしたその時、先にその受付嬢が口を開いた
『それなら大丈夫ですよ』
『え?』
『この方椎名先生の妹さんみたいだし、その辺りは問題ないかと…』
『…妹さん?』
少し驚いた様子で、ショートカットの女性は私を見た



