『ばか…』
そんな陽生に納得がいかず、不機嫌に睨みつけたのは言うまでもなく
なによ…人がせっかく…
陽生の胸の辺りに一発パンチを落としてやった
『はは、悪い…そう怒るなって…』
『知らない、ばか』
『フッ、たっく…果歩ちゃんはす〜ぐ怒るんだから……でも…』
次の瞬間後ろからぎゅっと抱きすくめられた
『サンキューな』
『えっ』
『果歩の気持ちは大事にもらっておくから…』
耳元で優しく囁かれ、いとも簡単に顔に熱が帯びる
さらに陽生に頭を撫でられて、不機嫌なんてこれまた簡単にどこかに吹っ飛んでしまった私ってどうなの?
ありえないでしょ
と、心底呆れながらも「その時は優しく慰めてな」と言われた言葉に素直に小さく頷いてしまった
そんなふざけたやり取りをしつつも、陽生はその他に差支えがない程度にいろんな話を私にしてくれた
陽生の家族構成やら病院のことなど
高校を卒業して医大に通うため一人暮らしを始めてからは、あんまりお兄さんとは会ってないこととか
陽生のお母さんは陽生がまだ中学生の時に亡くなってそまったこと
その後、静香さんが母親の代わりをしてくれていたこと
そして今の病院を立てたのは先に医大を出て医者になった静香さんらしく
その後を追うように医大を卒業し、静香さんの病院を手伝い出したのが2年前だとか
今まで謎に包まれていた陽生のことをたくさん知ることができた
ちなみに静香さんには実は2歳年上の旦那さんがいるみたいで
実は1年前に結婚してるらしい…
そんな事実に驚きながらも、自分のことを教えてくれた陽生に
今まで知らなかったいろんな一面を知れたことが、素直に嬉しく思えた



