甘い体温


…でも……


だから、尚更これだけは…


これだけは言っておきたい



『…陽生』



私は頬にある陽生の手を上から重ねると、陽生に真っ直ぐ言葉を向けた


『もし気が向いたら何でもいいから…言って、ね』


『え?』


『何か悩みがあるなら話ぐらいは聞いてあげるから…』


『……』


『てか、聞いてあげてもいいよ』



陽生が私にしてくれたみたいにね


もちろん陽生みたいに気の利いたアドバイスはしてあげられないけどさ


でもあの時


陽生が私のもやもやした思いを受け止めてくれて、どんなに気持ちが楽になったか


あの時の気持ちは今でもはっきりと覚えてる


あの時確かに私は救われた気がしたから


それが少なからずともはっきり分かる


誰かに話すだけで楽になることもあるんだと


陽生が私に教えてくれたことだから…


だから私もそんな風に少しでも気持ちを軽くしてあげれたら


いいかな、なんてね


陽生はそんな私に少し驚いたように目を見開いていたけれど、その目はすぐに優しく細められた



『ふっ、何でそんなに上から目線なんだよ』


『さあ…』



そんな風に言いつつも私に向ける表情はすごく嬉しそうで



『なんか怖いな…』


『へ?』


『果歩が優しすぎる』



「明日は雪か?」なんて意地悪く言うと、陽生は可笑しそうに笑った