甘い体温


『やばいなその顔…』


『え?』


『そんな顔俺以外の男の前でするなよ』


『……』


『ふっ、そこ…そんなに悩むとこじゃないんだけど』


困惑する私の髪をこめかみから救いながら、何故か苦笑いをする陽生に、少ししかめっ面を返した



『ったっく…お前はしょうがね〜な〜
無自覚すぎなんだよ…俺の気苦労も少しは分かれよ』


『は?な、なにがよ…』


『はぁ…まあいいや、そんな可愛い顔他の男に見せるなってことだよ』



そう言うと陽生は私のおでこを軽くピンと弾いた



な、何よ


さっきから訳の分からないこと言ってるけど…



陽生の方こそ、あんな色っぽい顔して見つめてくるのはやめてほしい


あんな顔されちゃ、私の心臓いくつあってもたりないんだけど?


それこそこっちの気苦労も分かってほしい…


それに、突然の事でいつの間にか流されかけてたけど


なんでさっきのあの会話から、今、こんな展開になってるの??


なんで私はいつの間にか、ソファーの上に横たわってんの?


我に返って、改めて今の状況を把握してきたその時、上からスルッっと滑らかな音が聞えてきた



…へ?



思わず目を向けた先に飛び込んできたのは


私に跨りながら、おもむろにネクタイを外し、床に投げ捨てる陽生の姿があって…



え?



ネクタイを外した後、その指で続けざまにワイシャツの袖のボタンを外し、自ら胸元のボタンも器用に外しながら、再び私に覆いかぶさってきた



『…ちょ、ちょっと!?』



慌てて私はそんな陽生の胸を押し、返しストップをかけた



『なに?』


『っちょっと///何急に脱いでんの!?』


『は?何って…そんなの決まってるだろ?脱がなきゃ出来ないから』


『えっ?…出来ないって…』