甘い体温


私の唇に陽生の唇が触れて離れ、息を呑む間もなく、またすぐに唇を包み込まれた



『…ん……』



突然のキスに戸惑う私


一瞬離れた唇から必死で言葉をかけようとしても、それは途中で遮られるように、陽生の唇の中にいとも簡単に吸い込まれてしまう


酸素を求めて少し開きかけた私の口内へ、待っていたかのように陽生の舌が滑り込み


優しくかき回されて、私の舌に絡らんでくるから、体中に甘い痺れが回っていく…


けれどそんな私をさらに追い込むように、キスは深みを増して…


『…んっ……』


あまりの刺激に、思わず顔を背けようと試みるけど、陽生の手が後頭部を強く抑えていて、逃げる隙を与えられない


そのキスの嵐にどうすることもできなくて、陽生の胸元をぎゅっと握り締めている手に、自然と力がこもる


それに気づいた陽生の片方の手が、すかさずその私の手を優しく包見込むと、そっと指を絡ませた



絡まった陽生の指が熱い



吐息も…唇も



私に触れる陽生の全てが、熱くて、熱くて



目眩がしそうなほど



その熱が、口から、体からダイレクトに私の中を伝ってきて私自身も一気に熱を帯び始める


息継ぎさえまともににさせてもらえない状況が続く中で、完全に頭が朦朧とし始めた頃


私は陽生に体重をかけられ、いつの間にか背中がソファーに押し当てられていた


それでも尚、キスが止むことはなくて、陽生の体の重みを感じながら必死に受け止める





『…っ…はぁ…』


ようやくキスから開放された頃には、お互い呼吸は乱れ


ぼんやりとする意識の中で、私は陽生をじっと見上げた