でも、それでももし本当に皆が言うように私が変わったっていうんならそれは…
間違いなく陽生のおかげであって、その…
陽生に会ってなかったら、今もずっと心の中がどろどろしたままで、こんな気持ちにはなってなかったのかもしれない
いや、きっとなってなかったと思う
それだけははっきりと分かる
『…変…かな?』
『え?』
私は視線を陽生の膝辺りに落とすと、少し俯きながらポツリと呟いていた
『果歩?』
『私が素直だと変…かな?』
自分でもこんなこと聞くなんて、正直驚いている
前の私なら自分が他人にどう思われてようが、そんなのまったくと言っていいほど、気にもならなかったのに
なのに、口がかってに動いていた
いや、口って言うより心のほうが勝手に動きだしてるのかもしれない
もう、自分でもどうしようもない
ひしひしと頭から陽生の視線を感じる
陽生は今、どんな顔して私を見てるんだろう
やっぱり、こんなこと聞くんじゃなかったかな…
正直私らしくもないし
陽生だって急にこんなこと聞かれても困るよね?
やばい
言ったそばから、急に恥ずかしさがこみ上げてくる
『……』
思わずソファーの上で、ぎゅっと手を握り締めたその時…
『いや…』
陽生の優しい声が聞えた
『可愛いよ』
え?
その瞬間、ビックリして顔を上げた私と、目を細めて優しく微笑む陽生と視線が絡まりあって
『あ……』
気づいた時には、陽生の手に頭を優しく引き寄せられていた



