甘い体温


『正直こっちが戸惑うぐらいにな…』


さらに陽生は驚く私に最後にポツリとそう一言呟くと私の髪を撫でながらフッと口の端を悪戯に上げた


『……』


私はもうそんな陽生に目を見開くしかなくて…


まさか


陽生にまでそんなことを言われるなんて、思ってもいなかった


確か今日、同じようなじようなことを後藤にも言われたような…


あの時は特に気にする事もなく、軽く受け流してたけど…


何ていうか



…そんなに私って変わったの?



どこが?


さっぱり分からないんですけど?


てかみんなの意見をまとめると、私って今までそんなにとげとげしたイメージだったの?


それはそれで、なんか複雑な気持ちなんだけど…


まぁ、確かに人に隙を見せないように、自分の周りにバリアを張ってたのは確かだけどさ…


今でも他人とあんまり深く関わりたくないのは、変わらない


けれど、それでも、鉛のように重かった気持ちが前よりはすっと軽くなったのも、確か


少し前の私とは、気持ちのもちようがだいぶ違ってきてるのも、分かる


でも、だからと言ってそれがみんなの言うように、私の雰囲気が変わったことと繋がるものなのか、分からないけれど?



『ふっ、まったく信じられないって顔だな』


『…だって……』



急にそんなこと言われても、自分では分からないんだからどうしようもない


信じろって言うのがおかしな話で…


『……』


でも、それでももし本当に皆が言うように私が変わったっていうんならそれは…