その瞬間体勢を変えられた私はその場に勢いよく押し倒された
ドサッ
と、ソファーの柔らかな弾む弾力が背中に響く
私はそんな感触を感じながら目の前の陽生を真っ直ぐ瞳に映した
そこには目を細めて私を見下ろす陽生の姿があって…
『三月の手、甘いな…』
陽生はシャーベットが付着した私の指を舌で舐めとるとふっと優しくはにかんだ
ドクンッ
何故か無邪気なその顔に、私の鼓動が早くなり波打つのを感じた
『後で、ここの手当てもしないとな』
そんな私をよそに陽生はそう言うと、さっき男にきつく掴まれて痣になった手首を陽生は唇で優しく触れ始めた
陽生の生温かい唇の感触が私を刺激してさらに鼓動が速くなる
けれど私はそんな陽生に特に抵抗することもせず
陽生が私に触れる仕草をただじっと息を潜めながら見つめていた
そして陽生もまた私が身動きもせず何も抵抗しないのをいい事に私にさらに覆いかぶさって詰め寄ると
首筋、鎖骨、胸元にと陽生は優しくキスを落としてくる
私は陽生の吐息を直接肌に感じながら与えられる刺激をただ
受け入れていた



