『マンゴーの味がする』
陽生は唇が離れるやいなや、少しも呼吸を乱す事なく余裕な表情で私を見据える
その顔はなんとも言えないぐらい艶っぽくて…
妙に鼻につくほど
そんな陽生に私は思わず顔を歪ませた
てか、この男キス上手すぎ
それさえも何故だか腹だたしく思えて…
『マンゴーのシャーベットなんだから…当たり前でしょ?』
余裕の陽生とは反対に、乱れた呼吸を整えながら私は陽生に冷たい視線を送った
けれど、そんな私を見て急に無言になる陽生
『…やばいな…』
『えっ』
『その瞳なんかぞくぞくする』
突然の陽生の言葉に
『っ!』
思わず私は目を見開く
…この男
『変態』
私は陽生の肩に手を伸ばすと、押し返そうとして突っぱねた
でも…
その手を陽生に掴まれ私の体はグイっと勢いよく引き寄せられた
『男なんてみんな変態だよ』



