背中に柔らかなカーペットの感触が、直に伝わる


目をうっすら開けると、そこには私に覆いかぶさる陽生の姿があって


陽生は私の顔を両手で固定しながら、私の唇に少し荒々しくキスの雨を降らせてくる


それを必死に受けとめながら、陽生の首に回した腕に力を込めた


その瞬間、キスの合間に陽生の手がゆっくり下に降りてきて首筋をなぞり始め


『…っ……』


その感触に、思わす背中がぞくりと疼く


そんな私の反応に、陽生は不意に動きを止めると、私から唇を離した


『……』


真っ直ぐ私を見下ろす陽生の瞳が、薄暗い部屋の中で悩ましく光って見えて、その光景に、息が詰まりそうになった


陽生は目を細めながら、そんな私を見つめると、私の耳元に唇を落とした



『…ベット行こうか?』



耳元で甘く囁かれて、その瞬間、脳内がしびれる感覚が私を襲う


陽生の一言でこんなに気持ちが掻き乱されるなんて、自分でも信じられない


心が苦しくてもう、押しつぶされそうだった


それでも…


それでもかまわない



『…このまま……』



私は声にならない声でか細く言うと、陽生の背中に腕を回した


今は少しも陽生の体から離れたくなかった


移動する時間すらもったいない


このまま陽生を抱きしめていたかった


このまま陽生を感じて一つになりたい


…だから……


私はそれを伝えるように、背中に回していた腕に力を込めた


それに気付いた陽生が無言で私を見つめ、フッと顔だけ崩すと、私のおでこにそっと唇づけた


そしてそのまま私の体を起こし、自分の膝の上に私を座らせると、片手で頭を引き寄せて再び私の唇を奪う


『んっ……』


キスを交わしたまま、もう片方の手で背中をなぞられ、ワンピースがはらりと腰までズリ落とされた