『ん?どうした?』
さっきから何も話さない私を、不思議そうに見つめてくる
けれど私はそんな陽生に何も言えず、ただ見つめることしかできなかった
『まだ寝ぼけてるのか?ったく…しょうがない奴だな』
フッと笑いながら、私のおでこをピンと弾く陽生
私の頬をもう一度撫でた後、再び陽生は窓の方へと顔を向けた
『……』
そんな陽生の行動に、さらに私の胸がぎゅっと締め付けられる
ドクン ドクン
と陽生に触れられたところが一気に熱を帯びる
それと同時に、私の心の奥底から熱いものがこみ上げてくるのを感じて、思わず目を閉じた
ああ…なんだろう、この気持ち
今まで感じたことのない切なさが私を襲う
どうしよう
なんだか無性に
触れたい
陽生に触れたい
陽生を抱きしめたい―――…
バサッ
と毛布が体から落ちると同時に、私は導かれるように手を伸し、陽生を抱きしめていた



