『そんなの、別に一食ぐらい食わなくても死にゃあしねーよ』


『……』


『だからさぁ~三月、もっかいこっち来いよ』


そう言うと男は私の手を掴み、ベッドに戻そうとする


『だから無理』


だけど私は掴まれた手を簡単に振り解くと冷めた目で男を見下ろした


いたって冷静に…



『さっきから何なんだよ…そんなに俺といるのが嫌なのかよ?』



嫌だよ



『俺とそのペットとどっちが大事なんだよ!』


『……』



思い通りにならないのが気に入らないのか、怒りをあらわにして訳の分からない事を言いだす始末



はぁ…


うざっ


相手にする価値もない



私は呆れ交じりに息を吐くと、男の顔を見た



『ブラウン』



迷う事無く真っ直ぐ男にそう告げた私は、カバンを持ってドアの方へ向かう


『おい、ちょっと待てよ!』


その行動に慌てて私を引き止めようとして、男が声をあげる


『あ、それから、キスマーク付けるような男はいらない
もうあんたとは会わないから』


『えっ?』


『じゃね』


『は、ちょ、おい!』



一瞬だけ振り返って冷めた口調でそう告げた私は、男を無視して少し肌寒い部屋を後にした