イケメン店員の言葉に、陽生が私の体をグイット引き寄せた
『果歩、紹介するな、ここの店のオーナーでシェフの宮下 亮(みやした あきら)
ちなみに俺の悪友で幼馴染』
『え?オーナーでシェフで幼馴染?』
思わず聞き返して顔を上げた私に、すかさず亮とかいう男が私に声をかけてきた
『そ、よろしくね~、君が噂の果歩ちゃんかぁ~
陽生が初めて女連れて来るって言うからどんな子か楽しみにしてたんだけど…
まじ可愛いいね♪やばい俺、君みたいな子、めちゃタイプ♪』
『は?』
『ちなみに俺のことは亮って呼んでくれていいからね~』
そう言うと、ニヤニヤしながら私に手を差し出してきたので、私は思わず顔を引きつらせた
何こいつ
何か、めちゃめちゃ軽そう…
正直、今までいろんなタイプの男を見てきたから、この顔つきといい、しゃべり方といい何となく分かる
陽生には悪いけど、この手のタイプははっきり言って苦手分野
私は差し出された手をあえて無視して、あからさまに作り笑顔を見せた
『おい、亮!…ったくお前は…相変わらずだな…
気安く果歩に触ろうとしてるんじゃねーよ』
陽生もまた亮とかいう男の行動に顔をしかめると、差し出された手を軽く手で払いのけた
『果歩、こいつに挨拶なんかすることねーぞ、変な病気がうつる』
私の耳元で陽生はそう言うと、私をさらにかばうように抱き寄せた



