甘い体温


『そんなに知りたいの?』


陽生は前を見ながら、ニヤッと口の端をあげる


『だからさっきから聞いてるんじゃん
せめて行き先だけでも教えてくれたっていいんじゃない?』


私は少し不満ぎみの声で、陽生に呟いた


『はは、なにもそんなにふくれなくても……
そうだなあ…しいて言うなら、ヒントは海だな』


それだけ言うと、フッと微笑えんだ陽生


え、海?


陽生の言葉に、私はさらに首を傾げた


こんな真冬に海??


海に入るつもりなの?


てか、水着も何にも持ってきてないのに?


…ますます困惑する私


『そんなことよりも、まだけっこう時間かかるから、眠かったら寝ていいぞ、朝早かったしな』


そう言うと、私の頭を陽生はくしゃっと撫でた


『……』


そんな陽生の態度に、私は思わずため息をこぼす


この調子じゃ、いくら聞いてもまともな答えは返ってきそうもなさそうだ


諦めた私は前に向き直ると、シートに深くもたれた


てゆうかさ、言いだしっぺは私にしても、パスタ食べにわざわざこんなに遠くに来なくてもいいのに…


相変わらず陽生の考えてることが、いまいちつかめない


怖い話、陽生なら本気でイタリアまで行きそうな気もするし…



…ん?


て、ちょっと待って!?


まさか本当にイタリアに行く気なんじゃ…


ないよね??