『え、なに?』
何故か私を見て笑みを浮かべる後藤に、私は思わず向き直った
『あ~いや、なんか以外だなと思って』
『は?以外?』
『うん、三月さんがそんなに真剣に悩んでる姿って初めて見るから…
だから三月さんもそんな風に悩んだりするんだなって思ったら
なんてゆーかその、必死で可愛いなと思って』
『はあ?かわっ!?』
びっくりして目を見開く私を見て、後藤はまた可笑しそうに笑う
『な、なにバカなこと言ってんのよ!』
『はは、ごめんごめん』
なおも私に笑いかけてくる後藤を、私は思いっきり睨みつけた
『てゆうかさ、三月さんから貰うものだったら
椎名先生きっと何でも喜ぶんじゃない?冗談なしで』
『えっ…』
ちょっと待って
…今なんて
突然後藤の口から発せられた陽生の名前に、また私は目を見開いた
『な、何で?!』
私、陽生にあげるだなんて一言も…
『はは、さあ?どうしてでしょう?な~んて、うそ、ただ何となく今そう思ったから言ってみただけなんだけど…
本当にそうだったの?』
そう言って、可笑しそうに笑いかけてくる後藤に、思いっきり顔を歪ませた
言ってくれるじゃない
…この女
のほほんとしてる割には、陽生の次に要注意人物かもしれない
そんなことを考えていたら、不意に後藤が私の手を掴んだ
『なんなら今から探しに行こっか?』
『え?』
『こんなとこで悩んでるよりも実際に見てプレゼント探したほうがいいって』
そう言って、本気で私の手を引っ張る後藤に、思わず首を傾けた



