甘い体温


『誕生日プレゼント?』


ケータイをいじりながら私に問いかける後藤に、軽く頷いた


今は、図書室のソファーに二人して座っている


もう最近じゃあこんな風景は当たり前になっていた


昼休みになる度に、図書室に来る後藤


しまいには図書室に行く前に、私を教室まで呼びに来る始末


最初こそうざがってた私も、最近じゃあそんな後藤に諦めを覚えていた


人懐っこい犬のように私に笑顔を向けてくる後藤を、どうしてか冷たくあしらえない私がいて


慣れてくると意外にも、後藤と過ごすこの時間は教室にいるより楽で居心地が良かった



『やっぱりそういうのって…あげたほうがいいわけ?』



私は12月31日のことを考えていた


陽生とその話をしてからあっと言う間に数日が経ち、約束の31日まで後2週間とちょっと


戸惑う私をよそに、陽生はいつもにまして最近は呆れるほど機嫌がいい


正直今まで誕生日とかそういうイベントごとをした事がないし、興味なんてなかったから、どうしたもんかと悩んでいた


世間一般ではプレゼントやなんやらあげてるみたいだけど…


やっぱり私も陽生にあげるべき…なの?


仮でも一応私の彼氏?になるわけだし、何もなしって訳にはいかないよね?


それに後藤も、お世話になってる人ならあげるべき、と即答で返してきたし…


やっぱりあげるべき?


ちなみに後藤にはあえて陽生の名前は出さずに、お世話になってる知り合いとだけ言ってある


陽生とのことをいちいち説明するのもめんどくさいし


あえて言う必要はないと思ったから…


って、今はそれよりも…