甘い体温


私は勢い良く顔を上げた


『ひょっとして…』


そんな私を見て優しく微笑んだ様生



『…知ってたの?』



私でも、今の今まで忘れてたのに…



『はは、当たり前だろ、今更何言ってんだよ
それに初めてここで会った時にお前の生徒手帳見たし』


『あ…そっか…』


そういえばそんなこともあったっけ?



『それに好きな女の誕生日ぐらい知ってて当たり前だと思うけど?』



陽生は当たり前かのようにそう言うと、優しく私の頬を撫でた





そう、12月31日は私が生まれた日


1念の中で、一番憂鬱で嫌いな日


私はこの日が心底嫌い


めでたくも何ともない


いい思い出なんか、一つもないし


いつも一人で迎えた誕生日




――自分が生まれてきたことを心から後悔してきた日