甘い体温



私は絶対人に心を許したりはしない


『はは…面白いこと言うな三月ちゃんは』


そう言うと陽生は何故か面白そうに笑った


だけど次の瞬間





『俺の事知りたい?』




『えっ…』



急に真顔になって真っ直ぐ私を見つめてくる陽生と視線がばっちり絡まり合った


そして陽生は胸まである私の髪に手を伸ばして指に絡めると、何故かグッと距離を縮めてきて…



『三月が望むならいくらでも俺の事教えるけど?』


『えっ』



一ミリも反らされることない陽生の真剣な瞳に


私は目を見開き、身動きが出来なくなってしまった


金縛りにあったみたいに体が何故だか動かない





『べ…』


『ん?』


『別に…どうでもいいから』