甘い体温



『えっ?』


『それで全部ちゃらにしてあげてもいいよ』



そう言うと私は陽生に優しく微笑んだ


『………』


これが今の私の精一杯の陽生への感謝の気持ち?


ごめんとかありがとうが照れくさくて陽生に面と向かって言えない変わりの


私なりの伝え方


自分でも正直驚いている


こんな穏やかな気持ちは生まれて初めてかもしれない


自分自身こんな気持ちが私の中にあったことが、信じられない


自然と湧いてくるこの感情


私はありのままの笑顔を陽生に向けた









『…やばいだろ』



すると何故か、陽生は片手で自分の顔を覆いだした



『えっ』


『今のはヤバイ…てかその顔は反則』



そう言って完全に私から視線を逸らしてしまう陽生



『え、…陽生?』



突然の陽生の異変に私は首を傾けた



…私なんかまずいこと言った?



それにどうしてか陽生の顔がさっきより赤くみえるのはのは、私の気のせい?


私が変なこと言ったから、余計熱が上がっちゃったとか?



『はるき……?』



そんな陽生の手を掴み、顔を覗き込もうとしたら…