ニヤッと笑いながら私の顔を覗きこんでくる陽生
しまった、私としたことが…
そう思ってももう遅い
私はなるべく顔を合わせないように視線をずらした
『可愛いことしてくれるね果歩は』
ガッチリと繋がった手をわざと私の目の前に持ってきて嬉しそうに見てくる
う”…
『し、知らない…何のこと?』
必死で私は誤魔化そうとする私を見て、陽生はフッと笑うと、自分の毛布を引っ張り私を背中から包み込んだ
『あんま無茶すんなよ』
『えっ』
『…手、握っててくれたのは嬉しいけど、あんな格好で寝てお前まで体調崩して熱でも出たらどうすんだよ…』
陽生は私の体をぎゅっと抱きしめ、少し冷たくなった私の背中を温めるように撫でる
『はるき…』
毛布と陽生の体温に包まれて一気に私の温度も上昇する
『陽生こそ、もう…熱は大丈夫なの?起きてて平気?』
私は素直に陽生の胸に顔を預けながら、さり気なく尋ねた
『ああ…おお蔭様で今さっき起きて熱測ったら、7度8分まで下がってたよ』
不意に私の頭に顎を乗せながら答える陽生に、思わず顔を上げた
『まだ熱、あるんじゃん!!』
『はは、そんな驚くほどの熱じゃねーよ』
『驚くほどじゃないって…』
『そんなことより…』
突然陽生は私の頭に手を置くと、急に真っ直ぐ見つめてきた