甘い体温


『別に気にしてないから安心して、ちょっと言ってみただけだから、
それにあんな弟でよかったらいつでもあっしーでもパシリでも都合のいいように使って構わないわよ』


『え”…』


『あんな動揺して慌ててる陽生の姿は滅多に見れないから逆に見てて面白いし』


『はぁ…』


『今日だってそうよ、39℃以上の熱があるっていうのに陽生ったら早く帰りたい一身で休憩も取らずに仕事してたのよ』


『えっ』


『俺の帰りを待ってる大事な人がいるからって…
早くあなたに会いたいからって』


そう言うとお姉さんは私に優しく微笑んだ


『……陽生が、ですか?』


『そうよ、自分のことよりあなたのことの方が心配だって言ってたわよ』


『……』


『まあ、でも無理したあげく結局このありさまじゃどうしようもないんだけどね』


言いながら苦笑いを浮かべたお姉さんに、何故が胸がぎゅっとなった



陽生……



私は思わず俯いて持っていたペットボトルを握り締めた



『よっぽどあなたが大事なのね』


『え…』


『陽生を見てるとそれが分かりすぎるってぐらい私にも伝わってくるもの』



顔を上げた私にお姉さんは穏やかな表情を向けてくる



『だから陽生のことは信じても大丈夫よ』


『えっ』


『それにあなたも本当はもうちゃんと分かってるんじゃないの?』



真っ直ぐ私を見つめるお姉さんから視線を逸らすことが出来なかった



『それにさっきの私と陽生を見るあなたの目、いかにも嫉妬してますって言ってるようなものだったわよ』



えっ?嫉妬?私が?



…まさか……