甘い体温


するとそんな私を見て、少し呆れた声を出したお姉さん


『別にそんなに警戒しなくても…誰もあなたのこと取って食ったりしないから大丈夫よ』


そう言うと切れ長の綺麗な目を細めてふっと笑った


あ……


その何気ない表情が陽生の笑った顔に似ていて私の心臓がドキンとはねた


さっき二人でいる所を見てもあんまり似ている印象はなかったけれど


こうやって間近でよく見ると、目元とか口元とか落ち着いた雰囲気といい、陽生と良く似てるかもしれない


もし陽生が女だったらこんな感じになるんじゃないかと思ったら、少し可笑しく思えた


そんなお姉さんを見て、何故か安心感を覚えた私は、差し出された薬とミネラルウォーターを素直に受け取った



『それにしてもずいぶんうちの陽生を都合よく使ってくれてるみたいで』



私が口にミネラルウォーター含むなり、突然お姉さんが意味深な声でポツリ言った


『えっ』


『この前も大変だったのよ~、診療中に突然病院から陽生飛び出して行っちゃったから、私一人で陽生の担当の患者さんまで受け持つはめになって』


そう言って、意地悪く私の顔を見てくるお姉さんに私は思わず動きを止めた



う”……



私は口に含んだ水を噴出しそうになって、慌ててそれを飲み込んだ



『えっと…それは…』



空き巣の時の事を言っているんだとすぐに分かった私は不意に言葉に詰まらる


その件に関しては何て言ったらいいのか…


そんなことを思いながら何とも言えない表情でお姉さんの顔を見ていたら



『フフっ、うそうそ』



私を見て可笑しそうに笑いだした